作(上石神井) [酒飲みの記録]
「大塚屋」からてくてくと歩くこと約20分、「作」に着いたのは18時20分頃でした。引き戸を開けて中に入ると、早い時間にも関わらず、カウンターには6人の先客が。とはいえ、まだ準備中らしく、マスターのH本さんは忙しそうにしていて、お客さんの前には何も出ていない状態です。空いている席に腰を下ろして、テレビを見ながら、店の準備が整うのを待つことにしました。なお、この日のカウンターは、私がいる間はずっと、ほぼ満席状態が続いていました。
店が落ち着いたところで、まずは、生ビール(エビス)ジョッキから。歩いてきた後だったので、とてもうまい。喉の渇きが癒されます。あっという間に飲み干してしまった後は燗酒に移りましたが、とっくりや盃などの酒器がリニューアルされていました。お通しは、(たぶん)セリのお浸し、落花生の味噌漬け。
お通し、新しい酒器。 |
マスター1人だけなので、酒や料理が出てくるのに少し時間がかかるのですが、そういうものだと思ってゆっくり飲むことにします。こういう時にテレビがあるのは幸い、しかもWBCのゲームを流しているところだったので、退屈せずにすみます。最初の料理は、(鳴門のカリスマ漁師村公一さんの)生わかめしゃぶしゃぶ。最初は褐色だったわかめが、お湯をくぐらせると鮮やかな緑色に。ポン酢につけていただくと、シャキシャキした歯応えに、たっぷりのミネラルを感じさせるうまさがありました。
生わかめしゃぶしゃぶ。 |
しゃぶしゃぶに手をつけようとするところで、女将のりえぞさんが到着。マスクをしていたので、花粉症かと聞いてみたら、転んで鼻を怪我したのだそうです(気を付けてくださいね)。ともあれ、これでマスターも一息というところでしょうか。続いて注文したのは、わかめの天ぷら。面白い食感で、なかなかいけました。
わかめの天ぷら。 |
その後は、時折、りえぞさんと筆談しながらの酒でした。そして、20時20分頃に注文したのは、和風おかかピザ。もちもちとした下地にチーズ、のり、おかかが乗っていて、これは本当においしい。けっこうボリュームがあるのですが、あっという間に胃袋に納まってしまいました。
和風おかかピザ。 |
21時を過ぎたところで、そろそろ締めにしたいと思い、お茶漬け(梅)とわかめの味噌汁をいただくことに。これでお腹も落ち着いたのでした。これが出てくるのを待っている間に、K間さんが入ってきて隣に。その後はしばらく、彼と話しながらの酒になりました。
お茶漬け(梅)とわかめの味噌汁。 |
ここで飲んだ酒は以下のとおり、全部で6合になりました。いずれもおまかせの燗です。
- 日置桜 純米吟醸 強力 五割五分搗き 17BY第19号 原料米:強力 精米歩合:55% 使用酵母:協会7号 (鳥取・有限会社山根酒造場)
- 諏訪泉 純米吟醸 満天星 原料米:山田錦25%・鳥取県産玉栄75% 精米歩合:麹・酒母)50%・掛)55% 製造年月:2006.12 (鳥取・諏訪泉酒造株式会社)
- ひこ孫 純米吟醸 原料米:山田錦 精米歩合:50% 製造年月:2004.4 (埼玉・神亀酒造株式会社)
- 悦凱陣 山廃無濾過生 平成19酒造年度 仕込15~16号 原料米:讃州雄町 精米歩合:65% 使用酵母:熊本9号 (香川・有限会社丸尾本店)
- 宗玄 純米八反錦 無濾過生原酒 No.31 原料米:広島県産八反錦 精米歩合:55% (石川・宗玄酒造株式会社)
- 生酛のどぶ 瓶燗 仕込15号 +13.5 19BY 精米歩合:65% (奈良・株式会社久保本家酒造)
日置桜の純米吟醸・強力五割五分搗きは、最初にピリッとした酸味があり、続いてしっかりとした旨味が口の中に広がるような印象、とてもうまいと思いました。諏訪泉の純米吟醸、満天星は、ナッツも感じさせる熟成した香り、やさしい口当たりでふくよかな味わい。味のバランスが秀逸でした。ひこ孫の純米吟醸は、ほどよい酸味にまろやかな味わい。製造年月ほどの熟成感はなく飲みやすい酒で、生わかめしゃぶしゃぶのポン酢に合っていました。
悦凱陣の山廃無濾過生は、しっかりとした酸味と旨味があってとてもうまい酒。りえぞさんもイチオシだったと思います。宗玄の純米八反錦無濾過生原酒は、グッと来るような旨味が好印象でした。そして、最後は生酛のどぶ。いつものようにすっきりとした辛口で、安心感のある味わいでした。
体調が今ひとつだったこともあって、食べる方はほどほどだったのですが、酒は充分に飲んでしまいました。りえぞさんとは酒の話、K間さんとは他の店の話ができてよかったのですが、K間さんの時はだいぶ酒が回っていたので、ちょっと支離滅裂なところがあったようです(汗)。
そして、21時半になろうとする頃にお勘定にしてもらい、りえぞさんに見送られて店をおいとましたのでした。後で聞いた話では、私と入れ替わるように日置桜の山根社長が入ってこられたそうで、もうちょっといたらよかったなあとも思ったり。でも、そうしていたら完全に飲み過ぎたはずですから、これでよかったのでしょうね。次に訪問するのは5月になるかなと思います。
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